市民会館の建て替え案の白紙化を求める要望書
とある市民団体から、統合庁舎建設要望書が、8月2日、丸山浩一西東京市長に提出されました。
住民団体「合築複合化の再考を求める市民の会」からです。
この団体は、以前から、丸山市長が考えている市民会館建て替え案である、3館合築構想を白紙に戻し、田無駅南口の中央図書館・田無公民館を建て替えて、1,300人規模のホールを含む合築施設を作ることを求めています。
ここでさらに、現在2庁舎体制となっているところを、保谷庁舎の建て替えを求める要望書を提出しました。
この団体のつくった構想については、市民の中に疑問視する人も多いので、その問題点を明らかにしたいと思います。

丸山市長が考える庁舎暫定統合案のイメージ
1,300人規模のホールは本当に必要か?
団体が1300人規模のホール建設を求めている場所は、田無駅南口です。
田無駅から2つ隣の駅小平駅には、ルネ小平があります。
ルネ小平には、客席数1229席の大ホールと、401席(舞台変換使用時最大555席)の中ホール、約141平方メートルの広さを持つレセプションホールがあります。
西東京市内を見れば、保谷こもれびホールがあります。保谷こもれびホールは、662席の大ホール、250席の小ホールがあります。
面積が16㎢しかない私鉄沿線の自治体に、2つホールが必要か。
2駅先に同規模のホールがある場所に、なぜ作るのか。
まず、これが、市民の疑問です。
市民会館は、「遠い」か。
団体が、市長が提案する3館合築案に反対する理由の、おもな理由は、「市民会館は遠いから」。
しかし、本当に遠い?という疑問を感じる市民も大勢います。
市民会館は、田無駅北口下車徒歩8分。
中央図書館・田無公民館は、田無駅南口下車徒歩3分。
5分の差をどう考えるかは、人それぞれです。
住む場所によっては、むしろ近くなる人もいます。当然ですが。
団体が言わない「不都合な真実」その1 実は費用が膨大にかかる。
団体は、仮設庁舎をムダと言っています。
仮設庁舎は、当初段階では作る予定ありませんでした。しかし、この団体をはじめ、市民団体が反対するため、3館合築は当初より計画を遅らせました。
そのため、庁舎統合で、中央図書館・田無公民館建物を、改築して庁舎にあてることができなくなり、代わりに、田無庁舎中庭に仮設庁舎を建てることとなりました。
仮設庁舎建設費用は、約15~19億円。
これを「13年間(?)使うだけで壊すものを造るのはムダ」と主張しています。
しかし、団体の案によると、市民会館・中央図書館・田無公民館を耐震補強工事をします。この費用は計算にはいっていません。
耐震改修工事の費用はどのくらいかかるのか?
中央図書館・田無公民館については、約10億円という数字が出ています。
市民会館は、耐震改修工事をしないで、建て直すことになったので、数字は出ていません。
参考までに、埼玉県朝霞市の市民会館「ゆめぱれす」ですと、約7億4000万円です。(29年度工事とのことですから、この額も予算です。)
ゆめぱれすは、築38年ですので、築47年の西東京市市民会館に比べると新しい。
延床面積は、ゆめぱれすが6,958㎡。西東京市民会館は、 4,781㎡。
5階建て、地下1階は一緒。
構造種類は、ゆめぱれすがSRC。西東京市民会館がRC。
ゆめパレスのホールは、大ホール922席。
市民会館のホール(公会堂)は502席。
西東京市の市民会館の耐震改修工事がいくらか。
延床面積だけを考えて計算しますと、7がけとして、5億1800万円です。
田無公民館・中央図書館の耐震改修工事と合わせると、15億円はかかります。
この費用については、団体の発行するチラシでは、まったく触れていません。
さらに、旧泉小学校校舎を保谷庁舎の庁舎の代替で使う、という案もあるようですが、築45年の旧泉小学校校舎を、庁舎として使う場合の改修費用も、おそらく億単位でしょう。
団体が建設を主張する「あらたな教育・文化・芸術ゾーン」ですが、これに一体いくらかかるか、まったくもって不明です。
56.3億円という試算額を、団体は出しています。(団体のチラシの試算は計算違いがあります。団体が示している床面積1,6000㎡に、1㎡あたり35.2万円を乗じて計算しました。)
1㎡あたり35.2万円という単価は、前市長の時代に作成した「西東京市本庁舎整備基礎調査報告書」にもとづいた試算となっております。
しかし、この単価は安すぎます。
一般的なホールの建設費として、これまで建設されてきた公共ホールの事例 では、1㎡あたり50万円から60万円程度となっています。
ちなみに、ルネ小平の場合、延床面積は16550㎡で、78億8300万円でした。ここの1㎡あたりの単価は48万円ということでした。
団体の提案によりますと、ホールだけでなく、図書館も合築します。
図書館は1㎡あたりの単価が倍になります。
非常にざくっとした計算ですが、団体のいう通りに建設すると、100億円はくだらないと思われます。
丸山市長提案の3館合築は、24億2000万円です。(これももっと膨れる可能性はあります。)
団体の代表は、「保谷庁舎跡地に統合庁舎を建設するのが金銭的にも合理的」とコメントしておられますが、なにをもって、「金銭的にも合理的」と判断するか、理解に苦しみます。
団体が言わない「不都合な真実」その2 勝手に庁舎面積を小さくしている。
団体は、「機能集約とIT化で現在の本庁舎合計延床面積を25%削減」としています。
総床面積を25%削減することは不可能だ、とは言いません。
しかし、削減するには時間がかかります。
まず、どのように機能集約し、また、IT化するか。それが先です。
しかし、この団体が言っていることは、先に面積を決めて、その中でなんとかせい、ということです。
この団体は、丸山市長の3館合築に反対しました。
理由のひとつはさきほども申し上げました、場所の問題が一つ。
もう一つが、「面積ありき」。
つまり、先に延床面積を決め、その中で3館合築をするのはおかしい!と、言いました。
しかし、自分たちの出してきた案は、まさに「面積ありき」。
3館合築の場合はだめで、市庁舎ならよいのか。いくらなんでも勝手過ぎはしませんか。
団体が言わない「不都合な真実」その3 資金計画がない。
ふつうのご家庭でマイホームを建設する場合、ローンを使う場合、頭金を用意します。
庁舎建設も同じで、頭金を用意します。
庁舎の場合、建設にかかる費用の1/4は、頭金として用意していないと、ローンを組むことが認められません。
かりに団体の試算の庁舎建設費用54.9億円、わかりやすく50億円とします。1/4というと.12.5億円です。
12.5億円ないと、ローンが組めない。
この団体によると、2022年工事着手ということですから、6年後です。
今西東京市にある頭金、つまり庁舎整備基金は3億円にも満たない。
毎年1.5億円積んで、6年間で9億円。
待機児対策がまったなしとされていて、保育所整備に全力を挙げている西東京市で、保育所整備をやめて、庁舎の頭金に、毎年1.5億円を積めるか。私は不可能だと思います。
しかも、50億円は、はっきり言って、過小見積もり。
IT化を進めれば、延床面積は小さくなっても、単価が上がる可能性はおおいにあります。
団体が言わない「不都合な真実」その4 図書館・公民館の仮設施設は要らないのか。
公民館図書館建て替え中の2年間、仮設施設は必要ないのでしょうか?
図書館の蔵書はどこにおくのでしょうか。
このへんは、まったく考えていないようです。
しかし、2年間使わずとも、誰からも文句が出ないのであれば、それは不要な公共施設の証左ともいえると思います。
「いつ」が大事。
団体の主張する「あらたな教育・文化・芸術ゾーン」ですが、「こもれびホール建て替え時には」という前提条件を付けてなら、検討してみてもよいと考えています。
保谷こもれびホールは1997年建設です。
50年の法定耐用年数を迎えるのは、2047年。
ついでに言えば、スポーツセンターが2043年に法定耐用年数を迎えます。
耐震補強などをすれば、10年の延命くらいは、簡単かと思います。
そうすると、田無庁舎が耐用年数を迎える2033年から、考え始めても、十分間に合います。
つまり、完成予定が2033年ではなく、2050年なら、検討してもよいのかなと思います。
30年後です。
あ。
この団体のみなさん、ほぼ全員3館のユーザーではなくなってしまう。
反対理由はここですね。おそらく。