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保谷なおみ
西東京市議会議員
保谷なおみ(七緒美)です。
市議会議員6期目ですが、気持ちはいつも新人議員です。
2021年3月から、2023年1月まで、第23代西東京市議会議長を務めました。2023年2月にハラスメントPTの座長に就任、1年間務め、報告書をまとめました。
現在は、広報委員長を務めております。

ときどき見に来てください。

市民会館建て替え反対団体が言わない不都合な真実

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目次

市民会館の建て替え案の白紙化を求める要望書

とある市民団体から、統合庁舎建設要望書が、8月2日、丸山浩一西東京市長に提出されました。

住民団体「合築複合化の再考を求める市民の会」からです。

この団体は、以前から、丸山市長が考えている市民会館建て替え案である、3館合築構想を白紙に戻し、田無駅南口の中央図書館・田無公民館を建て替えて、1,300人規模のホールを含む合築施設を作ることを求めています。

ここでさらに、現在2庁舎体制となっているところを、保谷庁舎の建て替えを求める要望書を提出しました。

この団体のつくった構想については、市民の中に疑問視する人も多いので、その問題点を明らかにしたいと思います。

丸山市長が考える庁舎暫定統合案のイメージ

1,300人規模のホールは本当に必要か?

団体が1300人規模のホール建設を求めている場所は、田無駅南口です。
田無駅から2つ隣の駅小平駅には、ルネ小平があります。
ルネ小平には、客席数1229席の大ホールと、401席(舞台変換使用時最大555席)の中ホール、約141平方メートルの広さを持つレセプションホールがあります。

西東京市内を見れば、保谷こもれびホールがあります。保谷こもれびホールは、662席の大ホール、250席の小ホールがあります。

面積が16㎢しかない私鉄沿線の自治体に、2つホールが必要か。

2駅先に同規模のホールがある場所に、なぜ作るのか。

まず、これが、市民の疑問です。

市民会館は、「遠い」か。

団体が、市長が提案する3館合築案に反対する理由の、おもな理由は、「市民会館は遠いから」。

しかし、本当に遠い?という疑問を感じる市民も大勢います。

市民会館は、田無駅北口下車徒歩8分。
中央図書館・田無公民館は、田無駅南口下車徒歩3分。

5分の差をどう考えるかは、人それぞれです。

住む場所によっては、むしろ近くなる人もいます。当然ですが。

団体が言わない「不都合な真実」その1 実は費用が膨大にかかる。

団体は、仮設庁舎をムダと言っています。

仮設庁舎は、当初段階では作る予定ありませんでした。しかし、この団体をはじめ、市民団体が反対するため、3館合築は当初より計画を遅らせました。
そのため、庁舎統合で、中央図書館・田無公民館建物を、改築して庁舎にあてることができなくなり、代わりに、田無庁舎中庭に仮設庁舎を建てることとなりました。

仮設庁舎建設費用は、約15~19億円。
これを「13年間(?)使うだけで壊すものを造るのはムダ」と主張しています。

しかし、団体の案によると、市民会館・中央図書館・田無公民館を耐震補強工事をします。この費用は計算にはいっていません。

耐震改修工事の費用はどのくらいかかるのか?

中央図書館・田無公民館については、約10億円という数字が出ています。
市民会館は、耐震改修工事をしないで、建て直すことになったので、数字は出ていません。

参考までに、埼玉県朝霞市の市民会館「ゆめぱれす」ですと、約7億4000万円です。(29年度工事とのことですから、この額も予算です。)

ゆめぱれすは、築38年ですので、築47年の西東京市市民会館に比べると新しい。

延床面積は、ゆめぱれすが6,958㎡。西東京市民会館は、 4,781㎡。
5階建て、地下1階は一緒。

構造種類は、ゆめぱれすがSRC。西東京市民会館がRC。

ゆめパレスのホールは、大ホール922席。
市民会館のホール(公会堂)は502席。

西東京市の市民会館の耐震改修工事がいくらか。

延床面積だけを考えて計算しますと、7がけとして、5億1800万円です。

田無公民館・中央図書館の耐震改修工事と合わせると、15億円はかかります。

この費用については、団体の発行するチラシでは、まったく触れていません。

さらに、旧泉小学校校舎を保谷庁舎の庁舎の代替で使う、という案もあるようですが、築45年の旧泉小学校校舎を、庁舎として使う場合の改修費用も、おそらく億単位でしょう。

団体が建設を主張する「あらたな教育・文化・芸術ゾーン」ですが、これに一体いくらかかるか、まったくもって不明です。

56.3億円という試算額を、団体は出しています。(団体のチラシの試算は計算違いがあります。団体が示している床面積1,6000㎡に、1㎡あたり35.2万円を乗じて計算しました。)

1㎡あたり35.2万円という単価は、前市長の時代に作成した「西東京市本庁舎整備基礎調査報告書」にもとづいた試算となっております。

しかし、この単価は安すぎます。

一般的なホールの建設費として、これまで建設されてきた公共ホールの事例 では、1㎡あたり50万円から60万円程度となっています。

ちなみに、ルネ小平の場合、延床面積は16550㎡で、78億8300万円でした。ここの1㎡あたりの単価は48万円ということでした。
団体の提案によりますと、ホールだけでなく、図書館も合築します。
図書館は1㎡あたりの単価が倍になります。

非常にざくっとした計算ですが、団体のいう通りに建設すると、100億円はくだらないと思われます。

丸山市長提案の3館合築は、24億2000万円です。(これももっと膨れる可能性はあります。)

団体の代表は、「保谷庁舎跡地に統合庁舎を建設するのが金銭的にも合理的」とコメントしておられますが、なにをもって、「金銭的にも合理的」と判断するか、理解に苦しみます。

団体が言わない「不都合な真実」その2 勝手に庁舎面積を小さくしている。

団体は、「機能集約とIT化で現在の本庁舎合計延床面積を25%削減」としています。

総床面積を25%削減することは不可能だ、とは言いません。

しかし、削減するには時間がかかります。

まず、どのように機能集約し、また、IT化するか。それが先です。

しかし、この団体が言っていることは、先に面積を決めて、その中でなんとかせい、ということです。

 

この団体は、丸山市長の3館合築に反対しました。

理由のひとつはさきほども申し上げました、場所の問題が一つ。

もう一つが、「面積ありき」

つまり、先に延床面積を決め、その中で3館合築をするのはおかしい!と、言いました。

しかし、自分たちの出してきた案は、まさに「面積ありき」。

3館合築の場合はだめで、市庁舎ならよいのか。いくらなんでも勝手過ぎはしませんか。

団体が言わない「不都合な真実」その3  資金計画がない。

ふつうのご家庭でマイホームを建設する場合、ローンを使う場合、頭金を用意します。

庁舎建設も同じで、頭金を用意します。

庁舎の場合、建設にかかる費用の1/4は、頭金として用意していないと、ローンを組むことが認められません。

かりに団体の試算の庁舎建設費用54.9億円、わかりやすく50億円とします。1/4というと.12.5億円です。

12.5億円ないと、ローンが組めない。

この団体によると、2022年工事着手ということですから、6年後です。

今西東京市にある頭金、つまり庁舎整備基金は3億円にも満たない。

毎年1.5億円積んで、6年間で9億円。

待機児対策がまったなしとされていて、保育所整備に全力を挙げている西東京市で、保育所整備をやめて、庁舎の頭金に、毎年1.5億円を積めるか。私は不可能だと思います。

しかも、50億円は、はっきり言って、過小見積もり。

IT化を進めれば、延床面積は小さくなっても、単価が上がる可能性はおおいにあります。

団体が言わない「不都合な真実」その4  図書館・公民館の仮設施設は要らないのか。

公民館図書館建て替え中の2年間、仮設施設は必要ないのでしょうか?
図書館の蔵書はどこにおくのでしょうか。
このへんは、まったく考えていないようです。

しかし、2年間使わずとも、誰からも文句が出ないのであれば、それは不要な公共施設の証左ともいえると思います。

「いつ」が大事。

団体の主張する「あらたな教育・文化・芸術ゾーン」ですが、「こもれびホール建て替え時には」という前提条件を付けてなら、検討してみてもよいと考えています。

保谷こもれびホールは1997年建設です。
50年の法定耐用年数を迎えるのは、2047年。

ついでに言えば、スポーツセンターが2043年に法定耐用年数を迎えます。

耐震補強などをすれば、10年の延命くらいは、簡単かと思います。

そうすると、田無庁舎が耐用年数を迎える2033年から、考え始めても、十分間に合います。

つまり、完成予定が2033年ではなく、2050年なら、検討してもよいのかなと思います。

30年後です。

あ。
この団体のみなさん、ほぼ全員3館のユーザーではなくなってしまう。
反対理由はここですね。おそらく。

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保谷なおみ
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